昨晩のNY市場は一時大きく下落したものの、FRB議長のパウエル氏解任を否定するトランプ大統領の発言もあって持ち直し、結果はプラスで引けた。

ダウは一時44000ドルを大きく割り込む展開となり、20日移動平均線を下回ったものの、結果は231ドル高で引けとなっている。
ベッセント財務長官とトランプ大統領のコメントに大きく左右された格好で、相変わらずのトランプ劇場である。
CPIは横這いとなり、評価は分かれるものの、関税の影響が出始めたとする向きも多い。
また、第二四半期の決算シーズンとなり、今のところは好調との見方が多く、これらのポジティブネガティブ要素が入り乱れている点も、市場を複雑にしている面がある。
いずれにしても戻したとはいえ44000ドルを大きく割り込んだ点は憂慮すべきであり、週後半の動きにはより注意が必要だろう。
ナスダックは続伸もこれまでのような高値更新は続かなかった。

ダウの様に下降トレンドが現れ始めているわけではないが、そろそろ天井をつけたといっても良さそうな形になっている。
前日の安値は20500ポイント割り込んではいないが、今週、再度割り込むことがあると、調整局面入りがハッキリするかもしれない。
もちろんこれを払拭して再び右肩上がりとなる可能性は無きにしも非ずだが、月末に近づくとFOMCがあり、そこから再度の上昇はネガポジ要素を踏まえると難しいと考えている。
逆に言えばFOMCまではこのまま保つことは可能ということにもなるので、まだしばらくは高値圏を維持するのでは無いかという想定になる。
20日移動平均線に近づく気配が出ると、その想定が現実味を帯びてくるだろう。
先物一時39130円を付けた後に上昇、結果は50円安、日経平均はここで失速も
夜間先物取引は、NY市場の下落もあって一時39130円と500円近い下げを見せたもののその後持ち直して50円安での引けとなった。

下髭の長い日足となっているが、この後のざら場の動き次第でこの髭が短くなるか長くなるか、確認したいところ。
戻したとは言えダウと同様に20日移動平均線を大きく割り込んだ事実は、このタイミングではあまり宜しくないと言える。
今日はそのネガティブ要素をざら場で払拭できるかどうかで、先の下髭の長さが決まることになる。
なお、先物の日足ベースでは、39500円付近を下抜けてしまうと38800円台まで目立った節目が直近では見当たらないため、注意はしておきたい。
日経平均は小幅安程度のでスタートなるかどうか。

プレオープニングで先物が下値を再度試しに行った場合、寄り付きのマイナスは確定だろうが、買い戻し一巡で再度39600円台に戻せるなら、そう悪いスタートにはならないだろう。
とは言え調整色は強くなりつつあり、ざら場の底堅さはあっても上に抜ける程の強さはない印象なので、今日は昨日の終値39663円がまず最初の上値目安になる。
その上は始値の39734円だが、そこまでの勢いがあるかどうか、また、それを抜けて行けない場合、結局は上値の重い展開に戻ることになるので、なかなかハードルは高いと考える。
逆に昨日の安値、39520円は下支えにするには少々心許ない面があり、これを割り込んでしまうと20日移動平均線の39380円が次の下値目安となる。
先物の下値目安も考慮に入れると、今日は39600円台で推移できないと、再度調整入りとなる可能性があり、一応用心はしておくべきだろう。