週末のNY市場は大荒れとなった。

FOMCが利下げを見送った直後の雇用統計の結果に注目が集まっていたが、これが過去の数値を10分の1に修正する大波乱。
これを受けてダウは一時700ドルを超す下げを見せ、結果は542ドル安、43588ドルとなった。
チャート上では60日移動平均線に下髭が引っ掛かっている形だが、今晩素直に戻せるかどうかは市場がこのネガティブサプライズをどう受け止めているかにかかっている。
仮に一過性のものとなるとしても流石に一気に反発は難しかろうと思われるので、一時的に戻した後再度調整をしてからの立ち直り、というパターンだろうか。
信じていた数字が実際は10分の1になってしまったという点ではかなりショッキングな話題だが、では経済状況は実際にどうだったかというといまだにインフレは収まりきっておらず消費動向も大きく変化がなかったことを考えると、そう大きな影響はなかった、と捉えることもできなくはない。
とは言え本当にその10分の1となった数字こそが本来であればやはり問題であり、もうしばらくは影響を与える可能性はある。
もちろん利下げが直近で行われる確率はこれでかなり上昇することになり、またトランプ大統領の口撃もさらに増すであろうから、パウエル氏も流石に今回は利下げに傾くのではないだろうか。
仮にそれでも利下げに難色を示すようならさらに市場は混乱をきたす可能性もあるので、今後の発言には注意したい。
ナスダックも大幅に下げたが、こちらは20日移動平均を明らかに割り込んでいるためダウよりも深刻な形に見える。

下支えに見えるのは5月30日からの平行チャンネルの下限、20300ポイント付近で、もう300ポイントほど下になる。
20日移動平均線は20750ポイント付近なので、今晩戻りを試すとしたらこのあたりが目安になるだろうか。
実際には企業業績はそう落ち込んでいないだけに、今回のサプライズは一過性の可能性は高いのではないかと思うが、いずれにしても一旦仕切り直しが必要になる点は考えておくべきだろう。
先物一時1000円超の下げ、終値は39900円、日経平均はどこで止まるか
米雇用統計ショックで週末の夜間先物取引は大幅下落。

39730円をつけて戻したものの引値は39900円となった。
チャート上では5月29日からの平行チャンネルの下限で引けており、下髭は6月23日からの平行チャンネルの下限で止まっている。
こう綺麗にハマっているのを見ると、下げ止まっても良さそうにも思うのだが、実際はそう簡単な話もでもないので、今日はもう一段の下げは覚悟しておくべきだろう。
気になるのは昨年の大幅下落で、これを思い出す投資家も多いかもしれない。
今回もそうなるかどうかはわからないが、仮にそうならない、と思っていても、結局は引きずられる可能性があり、今日はもう一段の下げは想定しておくべきだろう。
その上で、どこで下げ止まるかを見極めてから、次の仕切り直しのタイミングを図るべきではないだろうか。
それが、先物の場合は60日移動平均線の39100円台となる可能性がある、とだけ頭に置いておく。
さて、日経平均はこれを受けて40000円前後からのスタートとなるだろう。

先物のプレオープニングの動き次第でもあるが、意外に高いところから始まる可能性はある。
ただし、その場合はそこから一度下げを演じる必要も出てくるので、寄り付き後の動きには注意したい。
今回の雇用統計のショックはドルにも波及しており、ドル円は151円をあわや付けるかといったところまで伸びていた矢先に147円台まで下落している。
今の所、147円は割り込まずに週のスタートをしているが、ここで戻してこれるかどうかも、市場に影響してくるので、今日はドル円も見ておく必要があるだろう。
チャート上では5月22日からの平行チャンネルの下限が40000円付近なので、まずはそこにとどまれるかどうか。
その下になると下支えが見えず、60日移動平均線の39123円付近となってしまう点が、先物の下値も踏まえて気にしておきたいところ。
一方で上値の目安はいくつかあり、6月23日からの平行チャンネルの下限と20日移動平均線の40300円台が最初の上値目安で、その上は週末の安値40588円がそれになる。
今日は底を打つ可能性もあるものの、慌てて買いに入るとやられるパターンにもなりやすいので、ここは冷静に見極めてから動くべきだろう。