昨晩のNY市場はダウが続落もナスダックは横這いを維持。

FOMCでの結果は予想通り利下げ見送りだったものの、理事2名が利下げを支持し、意見の割れる展開に対して市場はネガティブに反応した。
ダウは一時300ドル以上の下げを見せたもののその後戻して結果は171ドル安。
20日移動平均線を下髭が割り込んだ形ではあるもののまだ保てていると言える。
とは言え下げ圧力が少々強くなりつつあり、ここでトランプ劇場が展開されるか否か、といったところだろうか。
これまでもこうした下げの直前まで行って、何らかのトランプ発言が米国時間の夜間だったり深夜だったりに発信され、米先物市場や日本の市場が影響を受けて来たのだが、今回は果たしてどういった言動を見せてくれるのか。
今の所、FRB議長のパウエル氏に対するコメントや対中貿易に関する発言が予想はできるものの、実際は何を言うかわからない御仁なので、期待も不安も抱く気もないのだが、これまでの経緯を見る限り、発言があった場合にネガティブなことになる可能性は少ないと考えている。
もちろん、関税に関する発言は当初市場に大きなネガティブインパクトとなったが、それ以降は下げかけた市場を引き戻すようなケースが多く、株価を大きく下げることは極力避けたいように見受けられる。
そもそもトランプ氏は実業家でもあり、そういった繋がりも多いだろうから、支持者の中には株価下落に対して厳しい見方をする投資家も多いだろう。
今回も対中貿易に対して結果的にはある程度無難な落とし所を既に見つけている可能性は高く、今日のざら場や週末の間にXに投稿したりするかもしれない。
そう考えると、今の下げに対してそれほど大きな不安は抱かなくてもいいかもしれない。
ただし、投資家たちが夏のバカンスに入る時期でもあり、そうした手前、持ち玉を減らしてから休みに入ることもあり、そういった点も踏まえると無警戒でいられるわけでもない点は、頭の隅にでも置いておくべきだろう。
ナスダックは小幅高だがやはりチャート的には頭の重い展開となっている。

まだ調整入りと言えるような形にはなっていないが、今晩あたり陰線で反落となる可能性はありそうだ。
とは言うものの、先にも書いたがトランプ氏の発言が週末に何かあるのではという勝手な予測もあって、そう弱気ばかりでもないのは正直なところ。
不確実な要素が多い、と言うよりも、はっきりした要素がない状況が続いているといった方がいいかもしれない。
昨晩はマイクロソフトの決算発表があり、予想を上回る結果とななって下支えとなってはいるものの、先買いはすでに済んでいるだろうからこれ以上の伸びしろはどうだろうか。
そう考えると、そろそろ、という気もしないでもないのだが、今週末のサプライズがあるかないかで、来週の動向は変わって来そうだ。
先物一時40500円割れも引値は70円高、日経平均は重い展開続く
夜間先物取引は、FRBの発表後にダウ同様一時的に下げたものの、結果は70円高に戻している。

今の所は陽線だが、これをざら場に維持できるかどうか。
昨日もリバランスの売りが残っていたようで、戻しては売られの展開が続いていたが、流石に今日は切れても良い頃ではないだろうか。
とは言えまだ売り玉が残っている可能性はあるので、前場1回は下げる場面もありそうだ。
気になるのはドル円の行方で、150円付近まで円安が進行しているのだが、以前と違って円安ドル高=指数上昇、と言うわけでもない。
物価の上昇に伴って健全な利上げができているならまだしも、日銀の腰は重く利上げになかなか踏み切れていないため、結果的に企業の業績が仮に上がっていたとしても国民への還元はされにくく、国内経済は決して良い状況というわけでもない。
正直日銀は利上げのタイミングを逸していると個人的には思っているのだが、こればかりは一個人がどうこう言っても始まらない。
兎にも角にも今は外資の買いや米大統領の発言に頼る以外、手立てはなさそうだ。
そんな中週末に向かっていく日経平均だが、不安定な相場が続く想定。

月末最後のリバランスの売りが残っていると思われる点と、それ以上に何か買いの入る理由が見当たらない状況で、唯一明日は月替わりだ、というくらいだろうか。
8月はバカンス入りの市場関係者も多く、もちろんネットで売買もできるだろうが、機関投資家はそうもいかないだろうし、大口投資家も休みを取ってわざわざ出先で取引もないだろうから、参加者は少なくなる。
閑散に売りなし、という格言も最近はあまり感じることが多くなく、閑散に売り叩きということもしばしば見られるため、ここからは用心が必要かもしれない。
いずれにしてもポジティブな材料は今のところ見当たらず、先にも書いた通りトランプ発言に頼るのみとなるのだが、果たして今回もミラクルはあるのだろうか。
チャート上では窓が空いたまま三日目を迎えるのだが、今日もその窓が上値の目安というか重しになる。
まず窓の下限が40792円で、これを抜けていかないとどうしようもない。
その上で、窓の上限となる40997円がその次の目安で、そこに届いて初めて、再度仕切り直しができそうな状態となる、というところだ。
そう考えると下値の目安は昨晩の先物の安値40480円が最初の目安になるのだが、日経平均だけを見ると昨日の安値40556円も目安としては考えるべきだろう。
水曜の安値が40563円なので、僅かに切り下がっており、これが今日も安値更新となると、少々分が悪くなる。
今日はこの値段と先物の安値を割り込んでいくかどうかに注意をしておきたい。