昨晩のNYは大幅続伸となった。
ダウは288ドル高の33049ドルとなったが、実際のところ平穏無事に上昇したわけでもなく、雇用統計やIMS非製造業景気指数などの経済指標の発表を受けて反落してスタートした後、日本時間の23時頃から上昇に転じての結果だ。
雇用統計は前月比で予想を大きく下回って9万人弱となったが、ISM非製造業景気指数は予想通り、製造業の新規受注は予想よりも大幅増といった玉蟲色の経済指標の結果だった。
Investing.comでは、これを受けて「ゴルディロックス経済」といった単語を使って解説してるのだが、要は都合のいい塩梅になったということになる。
(ゴルディロックス経済についてはこちらを参考にされたい。筆者も参考にさせていただいた)
さて、この上昇で一気に三日分の下落幅を巻き戻した格好になったが、問題はここからで、再度緩やかな下降を続けていくのか、新たな上昇トレンドを築いていけるのかという点になる。
まだ10月は始まったばかりで、この位置からの反発は十分本来なら可能だが、やはり米国の経済状況と利上げの構図は折り合いのつか方が難しく、利上げ停止=経済軟調という歓迎していいのか悪いのかわからない解釈になる。
また10月から11月にかけては通常ファンドの決算時期なので、換金売りも多く出るのだが、今回はそれが前倒しに出た可能性もあり、そうなるとここからの反発も十分考えられるため、一概に下落とも決めつけられない。
こうした中で週明けのNYがどちらに向いていくのかは、一旦様子を見てからとなる。
ナスダックについてはダウよりもはっきりと反発の色が濃く見える。
懸案だった120日移動平均線だけでなくデッドクロスした後の20日移動平均線も抜いてきたので、この後は60日移動平均線との間で揉み合うか一気に抜けていけるなら、いずれ再度ゴールデンクロスとなろう。
もちろんこの大きな上げに対して少なくとも1/3くらいの折り返しは発生する可能性が高いので、そう一気に上昇が続くこともなさそうに思える。
そういった観点から考えると、週明けはダウも含めて押し目の時間帯となり、それがこなれるなら再度上昇トレンドの形成に向かえるかもしれない。
NYの上昇に乗じて日経先物が310円高と大幅上昇
NYのどさくさに紛れてというのもなんだが、日経先物が夜間取引でやってくれた。
310円高、31330円の引けは、昨日の朝の想定の最後に書いた都合のいいポイントに入った格好。
これで一旦、先週水曜の朝の位置にまでは戻ったのだが、あいにく月曜は三連休のため先物のみの動きとなる。
NY次第でもあるので、あまり浮かれてもいられない点が悔しい。
概ね下降トレンドの下限に達しており、過去の高値ラインギリギリの位置なので、これが上値抵抗となると来週は辛いのだが、休みの間にこれをクリアしてくれたらば、というちょっと甘い考えも頭を過ぎる。
これを受けて来週の火曜日の日経平均を考えてみる。
現物としては31300円台なら一応トレンドレンジ内に戻れるので、上昇反転の可能性も出てくるのだが、果たして来週火曜の朝の先物が今朝の位置より上であるかどうか。
仮に31370円を抜けているなら、上値の目処は31492円付近の120日移動平均線となるし、先物がさらに上昇して引けているならその上の窓埋めとなる31674円が目標になるだろう。
一方で月曜の先物がダレてしまうと31000円が下値の目処になり、最悪30000円台に再度突入ということにもなる。
10月の下落幅2000円の半値戻しは31500円付近になるので、ちょうど先ほど書いた120日移動平均線あたりだ。
やはりここがポイントとなりそうで、週明け、この付近でスタートできるかどうかで来週の動き方も決まってくるだろう。