昨晩のNY市場は反発。

ダウは1000ドルを超える大反発となり、前日に空けた窓を埋めた。
先週木曜の大陽線の全値押しとなる、と想定したのだが、そうはならなかった。
トランプ劇場の不確実性が続く中、財務長官による対中関税が近い将来緩和するという発言がきっかけというのなら頷けもする。
これで一旦底打ちとなりそうは気配ではあるが、ただ、このような朝令暮改のような状況が続くのならが、それこそ近い将来、米国市場が崩壊する危険性が高まるので花かと不安は募るばかりである。
意図的かどうかは別にして、アラが目立つと言うよりも場当たり的な政策変更に見えるのは筆者だけであろうか。
ナスダックも429ポイント高と反発。

ダウ同様前日に空けた窓を即埋めた格好は好感が持てる。
ただ、ダウとは違ってまだ日足が移動平均線の下にある状態で、その移動平均線も下がってきてはいるもののまだ遠い位置にある。
この隙間を埋めて上昇するには昨晩並みの上昇が二日は欲しいところで、今のトランプ政権による手のひら返しのような政策発言だけでは、そう簡単には行かないようにも思う。
市場関係者も、乙女心と秋の空のようにコロコロ変わるトランプ劇場にもそろそろ慣れてきた、と言うよりも飽きてきた、あるいは疲れてきた頃合いではないだろうか。
冷静に考えれば、最初から無理難題を吹っかけては前言撤回のような形で突きつけた条件を引っ込めては、緩和している様に見せかけて実際は自分たちの良い様に交渉を進めている点は狡猾ではあるが、ある程度目標を達成していることだろう。
だが、その手法が効く相手は限られており、欧州各国や中国などにはあまり効いていない気もする。
結局立場的に弱い日本を含めアジア諸国だけが割を喰った形になりそうだ。
そして、それは米国内の製造業や卸売業にも相応の影響が出ることにもつながるのだが、トランプ政権はそこをどう捉えているのか、正直わからない。
ダウ共々ここで反発して二番底探しが止まるのであればそれはそれでいいのだが、やはり今年の1月をピークとした下げ相場はまだまだ続きそうに思える。
先物540円高で調整入り拒否、日経平均は連休前でも上昇続く
夜間先物は17時の場が開いたところからじわじわと上げて行き、NY市場の反発に合わせて一気に高値をつけ、その後一時下落したものの再度持ち直して結果540円高、34820円での引けとなっている。

昨日の下げで上昇一服、連休前でよくて横這い、と言う想定を覆して20日移動平均線を抜けてきたことに、実のところ若干期待もしていたのが本音だ。
そのあたりは昨日の記事の終わり付近にも書いてあるのだが、20日過ぎてなお買われる相場であれば、連休中も上昇する可能性があるのでは、と期待もしたくなる。
NY市場が反発しているので日経平均の一人歩きとまでは行かないが、一旦先物の動きは揉み合いの中心価格を上げつつ上昇してきていると考えて良さそうだ。
引値の34820円は大陽線の4月10日の終値付近をクリアしており、先週末から維持していた水準でもある。
今日はここを足がかりに上下しつつ35000円付近、あるいはそれ以上に手を伸ばせるなら、少なくとも明日の午前中までは上げ基調を維持できるだろう。
ただし、週末にかけてダレてしまうと先の機体は霧散する可能性もあるため、注意は必要だ。
日経平均としてはこの先物の上昇を受けて今日は上下しつつも揉み合いの基準を一段上に持っていけそうだ。

20日移動平均線を抜けて引けることができれば、明日の続伸期待も高まるのだが、ここしばらく前場高くて後場に下げることが多かったため、やはり後場には要注意だ。
また、先のも書いたが仮に今日上昇で終えて明日に繋がったとしても、明日の後場以降に再び失速する様なら、結局連休に向けて調整が入る可能性もある。
また、今は閑散に売りなしといった連休中の上昇相場も期待できそうな気がしているが、結局蓋を開けてみたら横ばいで終わった、と言う可能性もあるので、過度の期待は禁物だろう。
いずれにしても今日は、上値目安として35000円台を考えつつ、下値は34600円台キープ、というシナリオを想定しておく。
下げても34400円台までだが、そこまで下げてしまうと戻りが辛いので、出来たら朝のうちに足場を固めてもらって、後場の下げにも耐えてくれれば、と考えている。