全体相場
トランプショックにより世界全体的な経済構造の崩壊が始まったような状況である。とは言え、何もかもが終わりを告げることはあり得ない。ここでは当面の下げ止まりがどこになるのかを想定する。
なお、通常は日足や時間足を元に直近の上値下値の目安を使うが、下落幅が大きいためここでは週足や三日足を元に考察する。また、参考にするチャートは通常の日足チャートとは別に、オリジナルのチャート(AGチャートと呼ぶ)も活用する。
ダウ考察
三日足のダウは昨年大幅な下落を見せた8月の水準どころか5月の水準にまで下げてきている。

週足のAGチャートで見てみると、昨年4月から5月にかけての1ヶ月間、37983ドル〜38904ドルのボックス相場になっており、目先の下値を考える上ではこの下限である37983ドル付近が目安になりそうだ。

また、これを下抜けると次の節目は通常の週足チャートにおける240周移動平均線になるのだが、これが35492ドルとかなり下になるため、それよりも三日足の720(240×3)日移動平均線の位置、37849ドル付近が次の目安とすることとなる。


ちなみに週足チャートでは、昨年11月末〜12月、今年の1月末〜2月でダブルトップを形成している点も注目したいところである。なお、通常のチャートだとノイズが入って見づらい場合があるが、AGチャートでは細かい上下のブレは収斂されるため、判断しやすくなるので重宝している。
話は元に戻すが、当面の下値目安は38000ドル割れで、そこで一旦落ち着くかどうか、来週確認ということになる。ちなみにその下になるとどの足でも最低1000ドルほど下になってしまうため、時間的にも長引くことになり、その場合は底打ちは来週末で持ち越し、ということになってしまいそうだ。
ナスダック考察
ナスダックも、昨年5月水準まで下げているが、三日足のAGチャートではわずかながら昨年5月の安値を割り込んでいる。

これでは底打ちとは判断できず、もう少し遡って1月中旬の15425ポイント付近が最初の下値目安となる。その下は15000ポイント、一昨年の12月の水準で、もう一段下げるならさらに500ポイントほど下までがその範疇となりそうだ。
ダウとは異なり、三日足で見る昨年末からのチャート形状ははっきりとしたダブルトップにはなっていないが、うっすらと見えなくもないといったところだろうか。これが週足になると見えなくなってしまう点はダウとは異なる動きだったということになる。
いずれにしても、そろそろ底打ちのタイミングになるとは思われるが、油断はできない。
日経先物考察
日経先物は週末夜間取引で安値を更新、一時32000円を割り込むもその後は急反発、32850円まで戻したところで再び下落し、その後は揉み合いながらも引けにかけて下げ、結果は1540円安の32220円となった。

昨年8月の下落時を除くと、週足チャートではすでに一昨年末の水準であり、昨年の上昇分は帳消しとなっている。

また、AGチャートの週足においては、一昨年11月の水準を下回っており、その前の9月の水準まで切り下がってきている。

ここからさらに下抜けるとなると、一昨年10月の節目、ちょうど1000円下の31220円までが目安となる。通常の週足チャートを見ても一昨年10月の水準が下値の目安になりそうだということはわかるだろう。
まずは週明け、240週移動平均線の31820円を割ることなく通過できるかどうかが最初の関門といったところだろうか。週足のAGチャートでは、一昨年の6月から8月にかけてのボックスの下限32200円と32000円を除くと先の31200円まで節目らしい節目がないため、移動平均線からの目安31820円はかなり重要と思われる。
いずれにしても週明けスタートは先物の買い戻しから始まるとは思うが、8時45分からの先物のスタートに対して現物の9時スタートが一体どう動くのかは悩ましい限りだ。
日経平均考察
先物の週末の引値を受けて鞘寄せされるためスタートはわからないが、先に始まっている先物がどこまで買い戻されるかによって寄り付きの位置は変わるだろう。
ただ、いかに高く始まったとしても、ここまで下値を切り下げてきた事実と先物の下げ具合を考えると、どうしても売りが出てくるだろう。週末金曜の前場に買ってしまい、持ち越しして後悔している投資家たちは、こぞって寄り付きで成り行き注文を出すだろうし、よしんばそこで耐えたとしても、逆に戻った日経平均に対する売方に転じる可能性は高いと考えられる。
そう考えるだけでも、まだ下げ止まるとは言い難い状況である。そういった背景に基づいて下値を考えた場合、やはり先物が付けた安値に近い価格として、一昨年11月の31949円や31857円という値段が最初の目安となりそうだ。

そこで止まってくれるならばいいのだが、週末の夜間先物のように一時的に反発した後再び下げてしまうと厄介で、先の2つの値段を下抜けた場合は31259円や31000円割れまで下値を伸ばす可能性もある。
もちろん、いつまでも下落が続くことはないので、いずれは底を打つことになるのだが、少なくとも月曜の前場は、極端な上下が何度も起きる可能性があることは、注意しておきたいところである。
まとめ
想定している最悪のシナリオはここまでだが、それ以下になる可能性も当然ある。
また逆にここまでに至らずに反転するケースもあるだろう。
しかし、トランプショックはわずか数日で収まるようなものではなく、政策の不確実性や国際関係の再構築などの影響が市場に波及するまでには時間を要する。
今後もこうした下げ相場は何度も訪れ、市場はボラティリティの高い状態が続くと思われる。
最終的には実体経済と株価の乖離が埋まり、適正水準で折り合いがつく位置から再び反転上昇を始めることになるだろう。
当面は冷静な判断と慎重な投資姿勢が求められる。相場が大きく動く際には、パニック売りや過度な悲観に振り回されず、むしろ優良銘柄の買い場を探す好機と捉える視点も重要かもしれない。