昨晩のNY市場はダウ反落、ナスダックがが大幅続落となった。

193ドル安、43239ドルとなったダウはやはり週初の終値付近まで引き戻された格好。
まだ下がると決まったわけではないが、この形から反転するにはそれなりの力が必要だ。
トランプ大統領は3月4日にカナダとメキシコに対する25%の関税を実施すると改めて述べたことにより、ほぼ実施が確定となったことを受け、米経済に対する懸念は強まったとみて良いだろう。
そうした中で需給の悪化は避けられないため、踏みとどまっているように見えるダウも安心はできない。
尤も、それ以上に厄介な状況に陥っているのはナスダックだろう。

530ポイント安と昨年12月18日以来の下げ幅を見せたナスダックは、エヌビディアの決算発表における利益率への懸念が引き金となったようだ。
ただ、それ以上にインフレと金利に対する懸念が新興市場銘柄全体に影響を大きく及ぼしていると思われ、リスクオフが新興市場に先行しているとも言える。
12月のように下降トレンドの下限までまだ多少の余地があるため、まだ下げ余地はありそうだが、それが今晩になるのか、週明けになるのかはまだ未知数だ。
為替が大きく動いていないが、やはり金利が多少下げたとはいえまだまだ高止まりしている点が新古王市場の重しになっているようにも見える。
先物急落720円安、日経平均はブラックフライデーとなるか
夜間先物取引はNY市場、特にナスダックの下落に反応して720円安、37580円での引けとなった。

遂に下降トレンドの下限を下抜けてしまった形になるが、昨年10月26日の安値はギリギリ割っていない、
週足で見るとこれまた60週移動平均線の若干下の位置にいるのだが、これらが下支えになるのかどうか、少々怪しい。
まだ夜間取引の結果なのでこの後ざら場での動きが日足に加味されることになるが、再び長い下髭となるかどうか、ざら場の動き次第だろう。
とはいえここまで下げてしまうと週初の下げの二番底、とは言い難く、早くても週明け月曜か火曜まで自立反発の反転は待たないとならないかもしれない。
日経平均はこれを受けて38000円を割り込んでのスタートとなりそうだ。

長い下髭を二日連続で出していたチャートは、なんとか戻そうという意思は見られたものの、先物の結果はかなり厳しい状況となりそうだ。
ここまでMSCIや年金運用など月末のリバランスによる売りが需給悪化の要因と捉えていたのだが、本当にそれだけでここまで下げるのか疑問ではある。
最近はAIによる自動売買が脅威的な速度と影響をもたらすことは周知の事実で、ファンダメンタルズや投資家のも枠を遥かに上回る動きになっている。
そういった事情も加味すると、結局は買い戻しがまた一気に行われて、長い下髭がつく可能性もあるだろう。
とは言え、ここまで売り込まれるにはそれなりの原因もあるはずなので、そこがある程度はっきりしないとスッキリとした反発とはならないようにも思う。
いずれにしても日本市場は暗い週末を迎えることとなりそうだ。
スタートはわからないが、戻してこれるなら37742円付近が1つの目安であり、逆に先物がプレオープニングで先に戻したのなら、37700円は下値目処ともなる。
それを割り込む結果となるならば、先物の終値付近、37500円台前半が下値の目安になるが、それすら下回るとしたら、昨年9月20日の窓の下限、37394円で止まれるかどうか、といったところだろう。
仮に、先に書いたように先物がプレオープニングで買い戻されるとしたら、37742円付近を底値にして戻す形になる可能性もあり、その場合は240日移動平均線の37987円が上値の目安になるだろう。
あまり早急な反発は期待できないが、冷静な対応を求められる1日となりそうだ。
日経先物時間帯別目安
- 5分足 37660円、37770円、37830円が戻りの目安、下値は読めない
- 30分足 37700円が戻りの最初の目安で、その上は38010円まで明確なものはない
- 時間足 30分足同様
- 4時間足 37910円を上抜けないと反発とはいえない