昨晩のNY市場はまたまたトランプ砲による乱高下の末、結果大幅な反発となった。

ダウは485ドル高と前日の下げ分を帳消し。
120日移動平均線まで戻した格好となっている。
ここから再度の仕切り直しとなるが、気になるのは昨晩発表されたADP雇用者数だ。
予想14万人に対して結果は7.7万人と大幅に下回っていた。
これを受けて軟調に推移していた米市場だったが、これまたトランプ大統領の土壇場での関税延期というちゃぶ台返しで一気に戻すこととなった、というのがことの次第。
結果的に戻したとはいっても、雇用統計という重要な経済指標の1つが悪化したことは注意が必要だ。
幸いなことに、ISM非製造業景気指数は予想を若干上回っており、先日発表の製造業景気指数の結果をフォローする形になっている点は少し安心材料とも言える。
とは言えトランプ氏の発言で一喜一憂する市場は非常に不安定であり、こうした不安要素を抱えながらの推移はかなり難しいと言わざるを得ないだろう。
一部ではまたスタグフレーションという単語が出ているのを鑑みると、昨晩の反発のような上昇が続くかどうは微妙なところだ。
チャート的にはここからもう一段上がれるかどうか、というい位置に来ている。
120日移動平均線を抜けた後、下がってきている20日移動平均線や60日移動平均線付近まで戻せるかどうか、戻せたとしても右肩上がりを続けられるかどうか、はっきりするには上値が遠く、まだ少し時間がかかりそうだ。
その前に再度下げを演じることとなると、下降トレンドがさらに続くことにもなるため、予断を許さない状況が続くと想定される。
ナスダックも大幅に反発し、底打ちと言える形となった。

この後二番底を探しに行くかどうかはまだわからないが、ダウとは違ってまだ戻る余地が大いにあるため、この反発が無駄にならないためにも週末にかけてもう1、2段上昇が必要とされる。
少なくとも120日移動平均線までは戻していかないと、ここまで続いてきた下降トレンドから切り返すことは無理なので、この後来週にかけての動きは引き続き注視したい。
先物260円高、日経平均は戻り売りに注意
夜間先物取引は結果260円高となったが、一時37100円台まで下げる場面もあっての37700円での引けとなった。

日経先物 日足
日足チャートだけ見ると長い下髭を出した後の陽線で、底を打ったように見えるが、この後の展開次第では反転とまではいかない可能性もある。
最悪は横這いから再び二番底探しというパターンもあるのだが、今のところはそこまで悲観する場面ではないと思う。
まずは今日、この後37780円付近を抜けて240日移動平均線の37960円付近まで戻せるかどうか。
これが底打ち確定からの反発の条件となる。
一方で37400円を割り込んでの推移となると、横這いとなって上昇は難しくなり、結果的にさらなる下落という可能性も出てくるため、今日は37400円〜37800円の間にいる間は神経質な動きとなりそうだ。
週後半木曜ということもあり、一方的に動くには難しい時間帯に入ってきているが、今日は方向性を決める上では重要な1日となりそうだ。
これらを受けて日経平均はプラスでのスタートとなりそうだ。

注意すべきは戻り売りからの下落で、それでも下降トレンドの下限37450円付近までで止まれるなら、反発とも言える形になる。
先物の事情もあるが、日経平均としてはここで少なくとも2本ある過去の高値ライン、37674円、37887円と、240日移動平均線の37968円のいずれかを上抜けて引けまで持ってきたいところになる。
一方でそれが叶わない場合、下降トレンドの下限37450円付近から下抜けていく可能性があり、そうなると再度下落につながることにもなる。
今日は先物のところでも書いたように、37400円〜37800円の間の動きからどちらに抜けるか、確認が必要な日にとなる。
日経先物時間帯別目安
- 4時間足 上値は38000円が次の節目、下は37460円を下抜けると37210円、37000円が節目
- 時間足 37460円まで押し目買い、下抜けると37270円までは揉み合い圏、それを下抜けると戻りが難しくなる
- 30分足 上抜けるには37710円以上が必要、その上は38160円まで、下は37460円までが押し目買いの範疇、下抜けると37210円までの揉み合い圏内で、時間足同様さらに下抜けると厄介
- 5分足 37710円、37750円を抜ければ上昇、37710円から下は37540円までが押し目買い、それを下抜けると戻りは難しくなる