NY市場は29日、堅調な動きで終了した。

ダウは42,215.73ドルで引け、高値圏で底堅い展開を見せた。
トランプ政権下での関税政策への懸念が一部後退し、市場に安心感が広がった模様。
また、為替市場ではドル円が153円台後半で推移、円安基調が続いており、米国債10年物の利回りは4.2%近辺で安定している。
これらの経済状況から、ダウは一時安値41,828.35ドルをつけたもののその後は回復、42,000ドルを超える堅調な動きなり、終値42215.73ドルとなった。
もっとも、高値圏を維持しているものの、上昇幅は限定的で、42,300ドル付近が目先の上値抵抗線として意識されそうだ。
ナスダックは19,175.87ポイントで取引を終え、NVIDIAの好決算が好感されて大きく上昇した。

ダウとは異なり取引開始から下げ続け、一時安値19,091.54ポイントをつけ、結果はプラス圏となったものの大きな陰線となった。
この陰線が押し目となるのであれば、NVIDIAの決算がハイテク株全般に買いを呼び込んで勢いをつけているため、うまくすれば19,400ポイントが上値の目安として意識されるだろう。
日経先物と日経平均の展望
日経先物は夜間取引で37,900円で引けている。

始値から大きく下落し、37,720円まで値を下げたが、終盤にかけて値を戻した。
直近のチャートでは37,720円が直近の安値として強い支持線になっており、この水準を維持したことで底堅さも見られる。
ただ、38,000円を回復できなかった点は上値の重さを示しており、38,000円を維持できるかが焦点となる。
日経平均は38,432.76円で前日を終えた。

4本値は始値38,046.97円、高値38,454.07円、安値38,035.32円。
直近のチャートでは、38,454.07円の高値が上値抵抗線として意識される水準だ。
一方、安値38,035.32円を割り込む動きは見られず、38,000円台を維持する底堅さも示している。
とはいえ夜間取引の日経先物が37,900円で引けており、前日の終値から下落しているため、朝は軟調なスタートが予想される。
先物の移動平均線ではEMA(指数平滑移動平均線)の37,900円付近があるので、これが日経平均の下値を支える可能性がある。
また、5月30日は金曜日であり、月末に近いタイミングであるため、市場の転換点となりやすい。
朝の上値目安は直近高値38,454.07円を考慮しつつ、日経先物の動きを加味して38,500円と想定する。
下値目安としては、日経先物の安値37,720円やEMAの37,900円を基に、37,900円が意識される。