昨晩のNY市場は大幅な続落となった。

前日までは高値圏を維持していたダウだが、国債利回りの上昇を受け、これまでの市場に対する先行き不透明感が一気に悪化した格好。
一応先週の安値で止まっており、120日移動平均線の位置に何とかとどまった形に見えるが、すぐ下には他の移動平均線も集まってきており、一旦はもう一段の下げの可能性は高いと考える。
ここまで右肩上がりが予想以上に長く続いた関係もあって、大きな下げ幅が出る可能性もあり、週末から来週、月末へと続く中で調整となりそうだ。
ナスダックも直近のざら場高値を更新したものの反落し、270ポイント安と沈んだ。

流石にこの形は天井からの調整入りの可能性が高くなってきたが、判断は今晩だろうか。
ダウ以上に高値意識は出そうなので、一気に下に見える移動平均線付近までの下落も考えておくべきだろう。
国債利回りの上昇が続けば金利も釣られて上昇し、FRBが利下げ云々を言うことはできなくなるため、これまで隠してきた不安が一気に噴き出してくる可能性がある。
関税問題でこうなることはある程度予測されていたことで、それを無視してトランプ大統領の発言だけに一喜一憂していたツケが回ってきた、とも言える。
いずれにしてもここからの挽回は少々辛い状況なので、一旦、成り行きを見て判断すべきだろう。
個人的には調整入りと見ている。
夜間先物取引はこれまでと変わって大幅下落、日経平均も調整入りへ
夜間先物取引は460円安、36840円と37000円を一気に割り込んで終わった。

これまではざら場で下げて夜間で戻す、ということを繰り返してきた先物市場だったが、昨晩でそれが逆転した格好。
移動平均線のところできれいに止まっている様に見えるが、ざら場でこの後どうなるか、確認は必要だろう。
少なくとも 60日移動平均線の36691円付近までは考えておくべきで、最悪は36600円割れも一応想定しておきたい。
上値は37000円の節目と、120日移動平均線の37210円付近までが目安だろう。
これを受けて日経平均は一気に37000円を割り込んでくる形になりそうだ。

20日移動平均線が36830円、60日移動平均線が36687円とあって、これらが下値の最初の目安となる。
これらを割り込むとなると少々辛い下げとなりそうだが、今日1日でそこまで行くかどうかは正直わからない。
一方で耐えたとして37000円の節目あたりになるだろうが、120日移動平均線の37229円や240日移動平均線の37324円は、下から始まった場合の上値抵抗となりそうだ。
寄り付きでそれよりも上で始まるなら下支えになる可能性もあるが、先に始まる先物がそれを許してくれるかどうかは難しいところ。
4月安値からの上げ過程を考えると、上げ幅が7701円で、ここから調整が入る場合、1/3としても2600円はあるので、先日の高値38494円から考えると36000円割れはあっても良い、という計算になる。
何れにしても火曜の時点で微妙な動きだったのが水曜を経てここで決まる形になり、明日の週末を含め、ミラクルがない限りは大きな調整入りとなりそうだ。
USスチールの行方は?
ちなみにUSスチールがどうなるのか、今晩のトランプ大統領の判断も気になるところで、こういう時に平気で前言撤回をする男なので、そちらにも要注意だろう。
ミラクルがあるとしたら、それくらいしか思い浮かばない。